ヒメボタルの棲む森


はじめに

ホタルといえば、最もよく知られているのが、ゲンジボタルとヘイケボタルです、水田に発生するヘイケボタル、川や水路に生息するゲンジボタル、それらは古くから身近な生き物であり季節の風物詩でもありました。
 ヒメボタルも古くから各地に生息していたと思われますが、ヘイケボタルと混同されたり、水辺に生息して人の稲作生活とともに生活圏を広げたゲンジボタルやヘイケボタルとは異なり、ヒメボタルは夜間に人が近づかない杉、ヒノキ林などに発生することから意識されなかったと想像されます。
 最近では生息分布が知られていない事、生活史が理解されていない事など種々のマイナス条件が重なり、知られない間に保護できず消滅した所も多いと推測できます。
 今後の保護の為には生息地の把握、飼育繁殖の為には、生態、生活史の正しい理解が必須と考えられます。
 

3種のホタルのちがい

  ヒメボタル、ゲンジボタル、ヘイケボタルのちがいを紹介しましょう。
★大きさのちがい
ゲンジボタル ヘイケボタル ヒメボタル
メス 18mm メス 12mm メス 5mm
オス 15mm オス 10mm オス 7mm
上の写真の1目盛りは1ミリです、こうやっって並べてみると大きさのちがいがよくわかりますね。
ゲンジボタル、ヘイケボタルはいずれもメスのほうが大きいのですが、ヒメボタルはメスの方が小さいのです。

三種類のホタルを並べてみると↓
★すみか、幼虫のエサ
きれいな小川、用水路 水田、用水路、小川 杉、ヒノキ林など
カワニナ ヒメタニシ、ヒメモノアラガイ
サカマキガイなど
オカチョウジガイ
キセルガイなど
★発生時期、産卵数
6月上旬〜6月下旬 6月中旬〜7月上旬 6月上旬〜7月下旬
400〜1000個 70〜100個 50〜100個前後
★ひかりかた
あくまでも雰囲気だけですが光りかたのちがいがわかるでしょうか、ヒメボタルはややオレンジ色がかった光の色をしています。
よくヒメボタルとヘイケボタルを混同されている方がいますが、光の色、光かたを見れば一目瞭然。
ヒメボタルの光の色から金ボタルと呼んでいる地方もあります。
ホタルの種類によって光かたがちがいますが、同じホタルの種類でも棲んでいる場所によっても光かたちが違います、ゲンジボタルは西日本と東日本、ヘイケボタルは本州と北海道、そしてヒメボタルは大型と小型で発光パターンがちがいます。

※ヒメボタル研究家の高津英夫さんによると、ヒメボタルの発光間隔は気温に影響されるそうです、気温が高くなると間隔が短くなるということで、5月に発生するヒメボタルと7月に発生するヒメボタルとでは7月に発生するほうが発光間隔が短くなります。
ゲンジボタルとヒメボタルが実際に光っている動画が下記サイトにあります
どきんさい」http://www2.ocn.ne.jp./~dokinsai/index.htm

※一部、池田人と自然の会の資料より引用しています


ヒメボタルについて

ヒメボタルには、大型と小型がおり、神奈川県箱根を境に東日本には大型が、西日本には大型と小型が分布しており、小型ヒメボタルは西日本の低地に広く分布している(大場、1998)
 当地のヒメボタルは小型ヒメボタルであり、雄は体長6ミリ前後、雌で5ミリ前後。色彩は、頭は黒色、前胸背は淡赤色で前方に黒い大きな斑紋があるが後縁に達することはなく、前胸背の半ばすぎで終わる。
腹部は黒色であるが、腹節には二節淡黄色の発光器がある。雌も同様であるが発光器は一節でありB字形。形態は雄の複眼は大きく触覚も長い。他のホタルと違い雌は雄より小型で体の幅が広く、後ろばねが退化して飛べない。
雄は規則的に約0.5秒に1回のフラッシュ光を放つ。雌は間隔をおいて瞬く誘引信号を放つ。幼虫は陸生でオカチョウジガイなどの陸生の巻き貝を食べる。  飛翔行動では、雄は地上から1〜2mの高さをフワフワと弱々しく林の中を移動する、ライトなどが向けられると潮が引くように林の奥に移動してしまう、雄の発光は、あたりが暗くなる午後7時30分頃から始まるが、午後8時〜午後9時の1時間が最も多く見られる。明るさの関係で、曇りや雨の日の発光は晴れの日より少し早くなる。また風の強い日の飛翔行動は、非常に少なくほとんど見られない。

 2004/7/17 追記
 ヒメボタルは杉、ヒノキ林に発生すると書いていますが、竹林、雑木林、ブナ林、畑のまわりの草むら、河川敷などさまざまな環境にすんでいる事がわかってきました、今年私は、スキー場のゲレンデを飛ぶヒメボタルを見ました、また大きさも、大型、小型と一概に分類出来ない中間的なサイズもいることがわかっています、さらに発光する時間も深夜に発光するものなどさまざまです、ようするにまだまだ、謎の多いホタルだといえるでしょう。
ヒメボタルのオス
(画像をクリックすると
大きなります)
オス
ヒメボタルのメス
(画像をクリックすると
大きなります)
オスと比べると羽が短く
お尻が丸見えです
メス 
ヒメボタルのオス
お腹側から見たところ
ヒメボタルの幼虫

当地方のヒメボタル

ここ数年、但馬のあちら、こちらでヒメボタルを見つけたたという情報を聞きます、私もはじめて見たのが平成8年の事でした、それまではヒメボタルの存在さえ知りませんでした。
 ゲンジボタルやヘイケボタルは、人里近くの小川や田んぼに行けば見ることが出来ますが、ヒメボタルは、山の中に入って行かないと見ることが出来ません、ずっと昔からその場所に棲息していたんだと思いますが、人の近づかない場所であるがゆえに今まで発見されずにいたのだと思います。
 また、ヒメボタルのメスは飛ぶことが出来ません、ですから、繁殖する範囲が非常に狭い地域の中に限られてくると思います、誰も気がつかないうちに、開発工事などで、いなくなってしまったヒメボタルもいるのではないかと考えられます。
 いまのところ、都会のヒメボタルのように、開発などでいなくなってしまうという危機感が私たち達にはありません、しかし、ほたるより、広い道路や、観光施設のほうが、魅力ある存在であると考える人も少なからずいます、また、ヒメボタルを利用して村おこしをという声もありますが、そのために、よけいヒメボタルが棲みにくくなるということが、考えられます、いまはまだ、そーっとしておいてやるのがヒメボタルのために良いのかもしれません。


   昨年(2005年)初めてヒメボタルの乱舞する様をデジカメで撮ってみました
   20050618_1himeboraru_s.jpg(10601 byte)

 
 2006年に撮った写真です
 
20060619_01_s.jpg(15974 byte)
   
 

その他のホタル

 日本では46種類のホタルが確認されていますが、当地のヒメボタルのすむ森のちかくににも下の写真のホタルがすんでいます
 
ゲンジボタル ヘイケボタル
ゲンジボタル雌
オバボタル オオオバボタル
オバボタル オオオバボタル
オオマドボタル
オオマドボタル

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